こんにちは,大平特支の山口です。
本日8日(土)に行われた学習会の報告をさせていただきます。
実はレビュワーを担当するのは,これが初めてです。:)
今回の学習会「チーコとVOCA」は,那覇特支で行われました。
司会は最近パパになった,赤嶺太亮先生です。
同日に県内で大きな研修があったので参加者が集まるか不安でしたが,20名近い参加がありました。
はじめにチーコ(城間知子)先生より,魔法の種プロジェクトでの実践「重度重複障害児の刺激に対する反応への気づき」をご発表いただきました。
チーコ先生の事例は,重度重複障害のお子さんの聴覚・視覚・触覚刺激などへの反応を動画記録から細かく分析するというものです。
この取り組みによって,対象のお子さんの安心と緊張の反応を捉えることができるようになり,体調や気分などによって「好きなものが常にやりたいわけではない」ということを発見することができたそうです。
チーコ先生の実践の優れている点は,子供の反応を印象ではなく動画記録に基づいて客観的に評価しているところ,またその結果を学校だけでなく親御さんや入所施設の職員と共有するための取り組みを続けているところです。
また「安心の反応がみられる時には刺激を継続し,緊張の反応がみられる時には刺激を中断する」という手続きを確認したことで,子供の反応を強化しながら「その時その時のコミュニケーション」がとれるようになってきたというのも素晴らしい成果ですね。
会場からは「緊張にも色々な種類がある(嬉しくて緊張している場合も..)がどう判断するか?」「心拍や呼吸などの生理指標と合わせて評価してはどうか?」「(中学部・高等部は授業ごとに先生が変わる)OAKの画像の解釈は複数名で行ったのか?」などの鋭い質問があり,活発な議論が行われました。
つづいては小仙先生による「スイッチとVOCAいろいろ」のワークショップ。
前半は,会場に支援機器がずらりと並べて目の前で実演をしながら,それぞれの使い方やメリット・デメリット,フィッティングのコツなどについて,学校でのエピソードを交えて楽しくご紹介いただきました。
後半は,別室に移動して,スイッチをつなげたオモチャやゲームなどを体験。
私の息子もスイッチでかき氷を作ったり,バッティングマシンで銅鑼を鳴らして,会場にいる先生方に拍手をもらい「どや顔」をしていました。
子供には,こういった経験こそが必要ですね!
小仙先生のお話のなかで特に印象に残ったのは,スイッチやVOCAで「やりとりのきっかけをつくる」という視点です。
VOCAには「これから~をはじめます」などの号令ではなくて,代替する合図として「その子が好きな音」を収録しておくことで,「やりたい」「押したい」という気持ちを喚起することも有効ではないか,とおっしゃっていました。
小仙先生のiPodのDropTalkには一見して意味のない,相槌や合図のカードも多く並びます。
子供たちは先生によってそれらのカードを使い分けて,冗談を言ったりギャグを要求したりして,自発的にやりとりを楽しむそうです。
クロージングでは沖縄ろう学校の幸地校長から総評をいただきました。
・子供の反応を探ろうとする時,その反応の意味を決めつけるのではなく,柔軟性を以って捉える。また「確かに反応をしている」ということを,家族や周囲の支援者と共有することがまずは大切ではないか。
・昨今,支援機器の市場が安定しないことで,販売が中止になったり,入手が難しくなる機器が絶えない。製品化されたものは安全であり,安全であることは学校で使用する上で大切なこと。「高額だから..」ではなくて,学校としてしっかりと要求をするということも重要。
次回は9月10日(日)のサマープログラムです。
今夏も県外から「ビックゲスト」をお招きしてご講話をいただくことになりました。
私も今から楽しみです!
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