2024年6月2日

令和6年度 第1回学習会レポート

はいさい!ちゅーうがなびら!5月25日に開かれた令和6年度第1回目の学習会レポートです。
今年度最初の学習会は泡瀬特別支援学校と共催で行いました。
今回は久しぶりにスイッチ教材を中心に、肢体不自由校での実践をピックアップです。
小仙敏彦先生(那覇みらい支援学校)からは、実演や活用の様子を交えVOCAや一般的なスイッチについてお話しいただきました。
VOCAをスイッチとして使うことで結果をマルチモーダルに返すことができ、因果関係がより理解しやすいというお話が印象的でした。
ハンドミキサーをスイッチで回しながら、キューピー3分クッキングの音楽が流れたら楽しいですね。
相変わらず子ども達がワクワクするような仕掛けがいっぱいで、さすがの一言です。
宮城悠先生(那覇みらい支援学校)からは、重度のお子さんのスイッチ活用としてピエゾ・ポイントタッチ・光電などのやや特殊なスイッチについて紹介いただきました。
対象のお子さんの実態をよく観察し、「ストローで飲むことができる」「舌をよく動かしている」など、子どもの持てる力を上手に活かしてフィッティングをしていました。
弱い力で操作が可能な分「自分でできた」が解りにくいのが課題で、因果関係の理解を促すには「できた時」の周囲の反応も大切とおっしゃっていました。
また参加者から質問のあった、「無線でスイッチ操作をする方法」についてMabee使った事例も紹介いただきました。
太田健作先生(泡瀬特別支援学校)からは、ACリレーとラッチ&タイマーが一体化した「ウゴキんぐ」の紹介を、アイディアの種を蒔くように丁寧にお話しいただきました。
スイッチとPowerPointを使って鬼を退治したり狼をやっつけたり、アイディア次第でこんな使い方があるんだ!と驚かされました。
また活用によって、棒スイッチの棒をボールに変えてみる、帽の部分にボールを投げてみる(残念ながら当たらずw)などの工夫も紹介されていました。
どの先生の実践も、子ども達が楽しそうに活用している姿が窺えました。
先生も一緒に遊んでくれている、そんな空気感や関係性が子ども達の意欲をより引き出しているのではと思います。
御三方の実践発表の後は、泡瀬特別支援学校のスイッチ教材や発表者が持参下さった物を並べ相談会となりました。
発表を聴くだけでなく実際に教材に触れ体験ですることで、実践のイメージをより持ちやすくなりますね。
学校を会場とするのは久しぶりですが、やはり先生方にとっては参加しやすくていいですね。
この学習会をきっかけとして、参加された先生方の教室で新しい実践が生まれ広がっていくと嬉しいです。













2024年5月3日

令和6年度 第1回学習会のお知らせ

はいさい!ちゅーうがなびら!待ちに待った、令和6年度第1回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今回は肢体不自由のある子どもを対象とした実践紹介3本立て!

日時:令和6年5月25日土曜日 10:00〜12:00 (9:30 open)
場所:泡瀬特別支援学校
参加費:500円
※対面開催のみ

詳細は、ポスターをご覧ください。
申し込みはこちらをクリックまたはポスター内のQRコードからお願いします。

皆様の参加、心よりお待ちしています。

2024年3月19日

令和5年度 第3回学習会レポート

 はいさい!ちゅーうがなびら!令和5年度第3回学習会レポートです。

2023年度最後の学習会は肢体不自由学校での素敵な実践を3つご紹介いただきました。次年度に向けて力が湧いてくる会になりました。
①「自立活動でパソコンを使ってみる」 幸地英之氏 鏡が丘特別支援学校
高等部1年生の事例です。一貫していたのは将来的に必要な力として、生活に使える力にするには、という視点でした。視知覚に困難を抱える生徒に、音声入力やスクリーンキーボード、物理キーボード、トラックボール、プログラマブルキーボードなどの様々な入力方法を調整し、ビジョントレーニングと組み合わせて道具の使い方を学んでいました。また、ロボットプログラミングを通して、回転の軸を考えることや、体の動きのイメージ、空間のイメージを電動車椅子の操作につなげる視点が目から鱗でした。
さらに、会社を経営している教え子とFaceBookのメッセンジャーでつなぎ、進路などの相談の機会を作っていました。外の人とつなげることで、初めて1人で出かけたり、学校内だけでは得られないアドバイスをもらっていました。
コンピューターの活用は、生活にどのような意味を持つのか、それを生かすためにどのようにすればいいのか、今なお重要なテーマであり続けています。
②「遠隔授業で役立つ教材・教具の研究」 野原裕美氏
学校内のWi-Fiが整備され、オンライン授業が身近なものとなった中、スマートプラグを活用したオンライン授業の教材開発について、興味深いアイデアを共有いただきました。
スマートプラグは、コンセントに挿すだけで、iPadなどからアプリで接続した機器のON/OFFの操作ができる便利なツールです。このプラグを使って、扇風機の操作やモーターに接続した楽器を鳴らすなどの活動を通じて、反応が乏しい児童もオンライン授業の中で交流を深め、充実感を得たとの報告がありました。教材作りをまとめた動画や、実際に教具を動かしてみたりと楽しい発表でした!
③「発語のない児童の伝える力を高める指導の工夫」 安座間香凛氏
発語のない児童がトーキングエイドfor iPadを用いて、やりとりができるようになってきたプロセスをお話いただきました。
トーキングエイド導入時に2週間程度、キーボードを押しまくる乱れ打ちの時期がありましたが、ギャグのやりとりなどから徐々にコミュニケーションの道具になっていったそうです。このプロセスに学びや教師の葛藤もあり魅力的でした。
一方的な要求から、徐々にやりとりになっていき、それに伴って集団活動にも参加できるようになってきたそうです。単語と単語のつながりが増え、コミュニケーションの育ちが、言葉の発達につながっていくことが見えてくる事例でした。
素敵な実践を共有くださった皆様、参加くださった皆様ありがとうございました。
次年度もぜひご一緒しましょう。どうぞよろしくお願いします。





2024年2月6日

令和5年度 第3回学習会のお知らせ

ハイサイ、ちゅーうがなびら。1月に入りました。沖縄は暖冬です。日中は半袖のかたもいらっしゃいますね。

待ちに待った、令和5年度第3回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今回は肢体不自由のある子どもを対象とした事例紹介3本立て!

日時:令和6年3月2日土曜日 10:00〜12:00 (9:30 open)
場所:浦添市中央公民館
参加費:500円
※対面開催のみ

詳細は、ポスターをご覧ください。
申し込みはこちらをクリックまたはポスター内のQRコードからお願いします。

皆様の参加、心よりお待ちしています。

2023年12月1日

令和5年度 第2回学習会レポート

 はいさい、ちゅーがなびら。

 11月18日(土)、創設2年目の那覇みらい支援学校にて今年2回目のAT-Okinawa学習会が行われました。那覇みらい支援学校は、できたばかりということもあり充実した施設にも圧倒されました。
 今回の学習会の内容の一つ目は那覇みらいの赤嶺先生によるドロップレットシリーズの『DropTap』のワークショップでした。
 児童生徒の自発的な要求を促すための赤嶺先生の実践について説明を聞いた後に、実際にDropTapがインストールされたiPadを使って、イラストを入れたり、そのイラストの音声を自分の声で録音するなどの細かな操作方法や肢体不自由向けの外部スイッチによる活用方法など、すぐに実践に繋げることができるようなワークショップでした。使うイラストとしては、生徒が敬遠するようなものではなく、使いたくなるような内容を選ぶことがミソだそうです。
続いて、二つ目は同じく那覇みらいの小仙敏彦先生による、こちらもできたてホヤホヤのリリースされたばかりの『DropKit』の紹介がありました。(どこの学習会よりも一番早いかも?)
 ドロップスのイラストだけではなく、写真、テキスト、音声も入れて、いろんな教材が作成できるツール(こんなの待ってました)!
 今回は小仙先生が実際に作成した算数や国語の教材、そして作成方法についての説明がありました。
これまでは、パワーポイントやキーノートで時間をかけて作成していたような教材が、これ一つで簡単に作れちゃう特別支援教育にはとても有効な教材作成ツールとなっておりました。私の隣では、那覇みらいの知念元喜教頭も早速、自前のiPadプロに 1500円でインストールしていました。
 『DropTap』も『DropKit』もとても良いのは、作ったものを他の人とAirdropで共有できるということです。みんなでたくさんの教材を作成して、ライブラリー化することもできそうですね。
次回以降、DropKitのワークショップも検討していきますね。
今回の参加者は保護者も含めて30名ほどでした。会場の後ろでは、子ども等が遊べるスペースもあり、子連れでも気楽に研修を受けることができる環境となってました。コロナ禍にはできなかったワークショップがやっと持てるようになって感謝です。
参加されたみなさん、ありがとうございました。






2023年10月20日

令和5年度 第2回学習会のお知らせ

ハイサイ、ちゅーうがなびら。10月に入り沖縄も肌寒い季節となってきました。とは言っても、まだまだ半袖で過ごせます

待ちに待った、令和5年度第2回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今回はあの!!コミュニケーション支援アプリDropTapのワークショップを行います。

日時:令和5年11月18日土曜日 10:00〜12:00 (9:30 open)
場所:那覇みらい支援学校2F会議室
参加費:500円
参加人数:40名

今回の学習会ではワークショップ形式で DropTap の使い方や、子どもたちの言語表出を補う支援の考え方について皆さんと一緒に共有できたらと思っています。DropTap がインストールされた iPad を 40 台準備しています。DropTapがインストールされたiPadをお持ちであれば、そちらをご持参いただいても構いません!

今回は対面開催のみとさせていただきます。

詳細は、ポスターをご覧ください。
ポスター内のQRコードまたこちらをクリックして、申し込みをお願いします。
皆様の参加、心よりお待ちしています。

2023年7月25日

第1回学習会レポート

ハイサイ、ちゅーがなびら。

だんだんと暑さも厳しくなってきた中、7月22日に令和5年度第1回AT-Okinawa学習会が行われました。今回も対面&オンラインでの学習会でした。
今回は3人の先生方の実践を発表していただきました。

1本目は沖縄盲学校の戸ヶ瀬哲平先生による「美術×テクノロジー」の実践発表です。戸ヶ瀬先生の前任校である八重山特別支援学校での実践発表で、1つの実践ではなくいくつかの実践を発表してくださいました。
粘土で作った目玉焼きを「こんな場所に目玉焼きないよね。」という場所に置いてiPadで写真を撮ったり、紙コップで大きな文字を作りそれをドローンで上から見たり、iPadで撮った写真の風景の中から顔を探してそれを表現させたりと、美術とテクノロジーをうまく取り合わせた面白い実践をいくつか紹介してくださいました。
またテクノロジーを使わない実践の報告もあり、とても内容の濃い盛りだくさんの発表でした。
戸ヶ瀬先生の「テクノロジーがなくても美術はできるが、1つのツールとして強力に作用する時もある。」という言葉が印象的で、これはどの学習場面でも同じ事が言えるのではと感じました。

2本目は島尻特別支援学校の吉里莉鶴先生による「ICTを活用した表現領域別の音楽授業実践」の実践発表でした。
音楽の授業の中で「SONG MAKER」というブラウザ上で音楽作りができるツールを使い、生徒たちがメロディを作成していました。表のマスをタッチするだけで音を入力することができ、簡単に音楽作りができることが魅力です。
表のマスをタッチすると色が変わることから、はじめは生徒たちに絵を描く感覚で自由に音楽を作らせていました。後半は音楽作りの2つの決まりを守りながら音楽を作成させたり、伴奏に合ったメロディを作成させたりと、生徒たちも楽しみながら音楽を作っている様子が伝わりました。

3本目は鏡が丘特別支援学校の重森誠仁先生による「重度・重複障害児に自分の意思で視線を動かす力を育む自立活動」ということで視線入力を活用した実践を発表していただきました。
左側の選択肢に手が伸びてしまいがちな児童に対し、視線入力学習で視線を動かすことに慣れることで右側にも手を伸ばすことができるのでは、と期待して視線入力学習に取り組んだそうです。
はじめは「対戦ぬりえ」のゲームを使って学習していましたが、左下ばかり色が塗られることからこの視線の動きに意図は感じられないと考え、新たに「絵を見ると好きな動画が流れる」という教材を作成していました。この教材を活用することで児童が意図的に視線を動かすことができるようになり、また児童の目の見え方や使い方の実態も把握することができていました。今では日付や曜日を、2択から左右どちらでもマッチングすることができるようになっているそうです。

今回、対面とオンラインを合わせて、全国各地から50名近くの参加がありました。3名の先生方の実践はどれも興味深く、夏休みの間にいろいろと試してみようと感じた方も多くいたと思います。

以上、令和5年度第1回学習会の報告でした。
第2回学習会は11月頃を予定しています。次回の参加もお待ちしております!