2016年9月19日

サマープログラム レポート

こんにちは。
西崎特別支援学校の圓雅之です。


911日(日)に行われましたAT-Okinawaサマープログラムの報告(私の感想発表?)をいたします。
今年で3回目となるサマープログラムでは、香川県の高松養護学校より、佐野将大教諭をお招きし、「テクニック×テクノロジーで変えるコミュニケーション」についてご講話いただきました。

1部では、重度重複障害のある児童の実態をどのような視点で捉え、コミュニケーションを図る上で児童からの反応をどのように判断するのかについて、ワークショップとして水分補給する際の演習を交えながら学習しました。
まず、「(2つの飲み物を用意し)どっちを飲みたいと思っているのか子どもに聞いてみてください」と佐野先生から参加者に問題が出されました。
目の前に2つの飲み物を両方提示し目の動きを確認する、実際に一口ずつ飲ませてみながら子どもの反応を確認する、等の意見が出ました。
スタッフが子ども役を担当し、好きな(飲みたい)飲み物が口に入る時にわずかな反応を示すよう予め決めていたのですが、会場から出された方法ではそれを支援者側が読み取ることは難しく、子どもの反応を正確に捉えることはできませんでした。


そこで佐野先生が『選択による意志の聞き取りのテクニック』を教えてくださいました。
① 一つずつ聞く
② 体験して、中断して観る
③ (複数聞く場合は)時間をかける
というものです。


2つのものから1つのものを選ぶことのみが「選択」なのではなく、1つのものをいる(Yes)かいらない(No)という意思表示もまた、「選択」と捉えることができるという大切なことを学ぶことができました。
また、間違ったものを提示してどうなるか、配置を変えてみてどうかなどの工夫も必要であるということも学びました。


2部では、おもちゃを二者択一させるというワークショップが行われました。「(2つのおもちゃを用意し)どっちで遊びたいと思っているか聞いてみてください」というお題に対し、先ほどの内容も踏まえ、参加者らは子どもの目の前に2つのおもちゃを提示し試行錯誤していました。
しかし、第1部とは別の設定をされていた子どもが『好きなおもちゃが提示された時に足が揺れがおさまる』ということを参加者は見抜くことができず、どのおもちゃで遊びたいか知ることはできませんでした。


そのような子どものわずかな反応を知ることができるツールとして、OAKが紹介され、モーションヒストリーという技術を使って、
① おもちゃを提示する前の反応
② おもちゃを提示した時の反応
③ 直前の状態に戻した時の反応
を科学的に分析し、実際に目だけでは確認できないものも確認できるようになってきているということを知ることができ、子どもの反応を捉える視点の大切さを再度学ぶことができました。

また、本年度の第1回の学習会でも報告された、赤嶺太亮教諭(大平特支)の魔法のプロジェクトの実践報告も行われ、会場から大変参考になると意見があがっていました。
 
質疑応答では、「OAKの販売価格はいくらですか?」という質問がありました。
それに対して佐野先生は意外な言葉を返されました。

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しっかりと子供の反応をアセスメントするときには必要ですが、そうでないならOAKはいらないと思う。
OAKを使えば子どもの反応は細かく捉えることができるけれど、これはあくまでツールに過ぎない。
先生たちが視野を広げ、子どものわずかな反応をしっかり捉え、やりとりを楽しむことこそが大事です。
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肝に銘じて実践していきたいと思います。

次回の学習会は1112日土曜日、泡瀬特別支援学校で行われます。詳細はHPに掲載いたしますので、どうぞお楽しみに!







1 件のコメント:

  1. 「AT-Okinawa」Facebookページにメッセージを送りました。ご確認願えるとありがたいです。

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