2025年3月8日

令和6年度第3回学習会レポート

はいさい!ちゅーうがなびら!31日に開かれた令和6年度第3回目の学習会レポートです。

今年度最後の学習会、26名の参加者と4人の発表者が参加されて、2つの実践と2つの活動報告がありました。

まずは、美咲特別⽀援学校 宮城直美氏 「児童の主体的・意欲的な学びを促す図画⼯作科の授業づくり ーViscuit(ビスケット)アプリの活⽤を通してー」の事例発表。
6年生の図工の授業で、iPadを使った水族館プロジェクトを実施しました。児童たちはフリーボードやViscoitのアプリを使って魚を描き、教室に水族館を作成し、発表やクイズを行いました。プログラミングを取り入れることで、表現力や集中力が向上し、主体的に学ぶ姿勢が見られました。美ら海水族館を見学した後の関連単元として取り組み、音や動きを加え、保護者や修学旅行の関係者に成果を発表しました。」とのことでした。

続いて、泡瀬特別⽀援学校 ⻑濱星乃氏 「A児の伝える⼒を⾼める指導の⼯夫 ーiPadを活⽤した⽂作りを通してー」の発表。
iPadを使った活動で、文字の表出を練習し、自己肯定感を高める取り組みを行いました。身振りでの表現が伝わりにくいことから、文字を見て写す練習を行い、フォルダに単語を記録して文を作成しました。身振りから文章での発表へと進化し、伝わる喜びを感じるようになりました。」とのことでした。

そして、鏡が丘特別支援学校の山城聡子氏から訪問学級や重度重複障害の生徒に対する取り組みを紹介していただきました。VOCAやトビーを活用し、発達段階の理解が重要で、手の過敏さから寝返りでビッグマックを押したり、顎でジェリービーンズスイッチを操作したりする様子やピエゾスイッチを使ってたいこ叩きのおもちゃを操作し、視線の動きに気付くことでコミュニケーションの幅が広がったことを見せていただきました。視線入力も活用し、スクラッチで因果関係を理解し、的あてで視野や視角の確認を行いました。そのほか、ゆめ水族園ファンタスカーの取り組みも紹介していただき、環境の把握を促せるように教室や体育館などでダイナミックな活動を見せていただきました。壁や天井に投影された大きな映像を見ている児童生徒の表情や笑顔が印象的でした。申し込めばレンタルできるということも教えていただきました。

最後に幸地英之先生による視線入力の活用に関する取り組みでは、見えないと言われていた子も視線入力を試すことで反応が見られ、先入観を捨てることが大切であること。始める際に教師が視線の位置合わせを設定して活用できることや視線の実態把握や視野、視角、斜視、瞼の開きなどを考慮し、斜視の場合は片目の設定が有効であるということを教えていただきました。山城先生の発表でも紹介されていましたが、お母さんの写真のスクラッチに反応が良く、他の写真でも興味のある部分を見ることで実態把握が進みます。そして視線入力を通じてやりたいという意識を引き出し、一緒に喜ぶことが大事とのことでした。

最後に実際に視線入力やファンタスティックカーの体験会をして学習会は終了。どの発表も素晴らしく、支援機器を活用し、児童生徒の主体性を引き出している発表でした。

今年度も学習会へのご参加や事例の発表ありがとうございました。来年度もよろしくお願いいたします。












2025年2月13日

令和6年度 第3回学習会のお知らせ

 ハイサイ、ちゅーうがなびら。2月に入りました。沖縄にも寒波が襲来し、例年より寒い冬を過ごしております。

待ちに待った、令和6年度第3回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今年度最後の学習会になります!!
今回は2つの実践と1つの活動報告があります。
日時:令和7年3月1日土曜日 10:00〜12:00 (9:30 open)
場所:森川特別支援学校
参加費:500円
※対面開催のみ
詳細は、ポスターをご覧ください。
申し込みはポスター内のQRコードからお願いします。


2024年12月9日

令和6年度 第2回学習会レポート

はいさい!ちゅーうがなびら!11月16日に開かれた令和6年度第2回目の学習会レポートです。

まずは、野口さん(沖縄県総合教育センター)からPadletの紹介です。Padletは意見の集約や 振り返りなどにも使えるサービスってことで、アイディア次第で学習にも校務にも色々な使い方が 考えらえるんじゃないかということでした。アプリまたはウェブブラウザで使うことができます。 野口さんの用意した質問に参加者がPadletで回答しながら、操作方法や活用のイメージをお話しいただきました。回答の仕方や、表示などの設定がポイントみたいでした。また、幅広い共有のオプションがあって、公開範囲の設定や個人情報の取り扱いについても気をつけるポイントがあ りました!大切ですよね。。また、まずは無料版で使い始める時の、ちょっとしたコツも教えていただきました。授業の中で「言語化→共有→提出→発表→評価」がしやすいツールなので、これでどんな課題を 作るかアイディアがめっちゃ沸いてくるね!という話でした!


次に小仙さん(那覇みらい支援学校)から教材制作ができるアプリDropKitの紹介と教材作成 ワークです。DropKitはマッチングやグループわけ、パズルなど、いろんな種類の教材を作成できます。ほんとーにいろんな種類の教材が作れてすごい。印象的だったのが、みんな説明聞きながら、いつの間にか試しだすんですよね、多分、生徒や教材のイメージが沸いてくるんでしょう。1つずつ教材の種類や作成方法の紹介のあと、実際教材を作ってみました。教材作成モードに入るとみんな集中して、あたりは静まり返り、DropKitの操作音だけが鳴り響い ておりました。作成した教材をみなで共有しました。自由度が高いので作成者のセンスや、イメージした子どもの姿から、いろんな教材が生まれて盛り上がっておりました。国語の☆本の内容を元にした教材制作や、他の活動と組み合わせた、すぐに取り入れられそうなアイディアもご紹介いただきました!


最後の情報交換では、最近リリースされたDrop Tap Proと、視線入力など肢体不自由のある人の支援についてご紹介いただきました。 学校や施設を回って肢体不自由のある人に視線入力の支援をしている幸地さん(元AT-Okinawa会長)からは、視線入力をするときに、不随意な動きなどが起きにくいようサポートして姿勢を整えることで、対象をより見ることができる、それって視線入力だけの話じゃないよね、、現在進められている教科の学習においても基盤となるもので、そういうところもしっかりやっていかな いといけないよね、、、というとても大切な視点の投げかけがありました。


次回の学習会もぜひぜひお気軽に遊びにいらしてくださいませ!




2024年10月18日

令和6年度 第2回学習会のお知らせ

ハイサイ、ちゅーうがなびら。10月に入りました。沖縄は少しずつ過ごしやすい季節になってきました。

待ちに待った、令和6年度第2回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今回は生活や学習で活用できる2つのアプリ「Padlet」と「DropKit」のワークショップを行います!

日時:令和6年11月16日土曜日 10:00〜12:00 (9:30 open)
場所:那覇みらい支援学校
参加費:500円
※対面開催のみ

詳細は、ポスターをご覧ください。
申し込みはポスター内のQRコードからお願いします。
皆様の参加、心よりお待ちしています

2024年6月2日

令和6年度 第1回学習会レポート

はいさい!ちゅーうがなびら!5月25日に開かれた令和6年度第1回目の学習会レポートです。
今年度最初の学習会は泡瀬特別支援学校と共催で行いました。
今回は久しぶりにスイッチ教材を中心に、肢体不自由校での実践をピックアップです。
小仙敏彦先生(那覇みらい支援学校)からは、実演や活用の様子を交えVOCAや一般的なスイッチについてお話しいただきました。
VOCAをスイッチとして使うことで結果をマルチモーダルに返すことができ、因果関係がより理解しやすいというお話が印象的でした。
ハンドミキサーをスイッチで回しながら、キューピー3分クッキングの音楽が流れたら楽しいですね。
相変わらず子ども達がワクワクするような仕掛けがいっぱいで、さすがの一言です。
宮城悠先生(那覇みらい支援学校)からは、重度のお子さんのスイッチ活用としてピエゾ・ポイントタッチ・光電などのやや特殊なスイッチについて紹介いただきました。
対象のお子さんの実態をよく観察し、「ストローで飲むことができる」「舌をよく動かしている」など、子どもの持てる力を上手に活かしてフィッティングをしていました。
弱い力で操作が可能な分「自分でできた」が解りにくいのが課題で、因果関係の理解を促すには「できた時」の周囲の反応も大切とおっしゃっていました。
また参加者から質問のあった、「無線でスイッチ操作をする方法」についてMabee使った事例も紹介いただきました。
太田健作先生(泡瀬特別支援学校)からは、ACリレーとラッチ&タイマーが一体化した「ウゴキんぐ」の紹介を、アイディアの種を蒔くように丁寧にお話しいただきました。
スイッチとPowerPointを使って鬼を退治したり狼をやっつけたり、アイディア次第でこんな使い方があるんだ!と驚かされました。
また活用によって、棒スイッチの棒をボールに変えてみる、帽の部分にボールを投げてみる(残念ながら当たらずw)などの工夫も紹介されていました。
どの先生の実践も、子ども達が楽しそうに活用している姿が窺えました。
先生も一緒に遊んでくれている、そんな空気感や関係性が子ども達の意欲をより引き出しているのではと思います。
御三方の実践発表の後は、泡瀬特別支援学校のスイッチ教材や発表者が持参下さった物を並べ相談会となりました。
発表を聴くだけでなく実際に教材に触れ体験ですることで、実践のイメージをより持ちやすくなりますね。
学校を会場とするのは久しぶりですが、やはり先生方にとっては参加しやすくていいですね。
この学習会をきっかけとして、参加された先生方の教室で新しい実践が生まれ広がっていくと嬉しいです。













2024年5月3日

令和6年度 第1回学習会のお知らせ

はいさい!ちゅーうがなびら!待ちに待った、令和6年度第1回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今回は肢体不自由のある子どもを対象とした実践紹介3本立て!

日時:令和6年5月25日土曜日 10:00〜12:00 (9:30 open)
場所:泡瀬特別支援学校
参加費:500円
※対面開催のみ

詳細は、ポスターをご覧ください。
申し込みはこちらをクリックまたはポスター内のQRコードからお願いします。

皆様の参加、心よりお待ちしています。

2024年3月19日

令和5年度 第3回学習会レポート

 はいさい!ちゅーうがなびら!令和5年度第3回学習会レポートです。

2023年度最後の学習会は肢体不自由学校での素敵な実践を3つご紹介いただきました。次年度に向けて力が湧いてくる会になりました。
①「自立活動でパソコンを使ってみる」 幸地英之氏 鏡が丘特別支援学校
高等部1年生の事例です。一貫していたのは将来的に必要な力として、生活に使える力にするには、という視点でした。視知覚に困難を抱える生徒に、音声入力やスクリーンキーボード、物理キーボード、トラックボール、プログラマブルキーボードなどの様々な入力方法を調整し、ビジョントレーニングと組み合わせて道具の使い方を学んでいました。また、ロボットプログラミングを通して、回転の軸を考えることや、体の動きのイメージ、空間のイメージを電動車椅子の操作につなげる視点が目から鱗でした。
さらに、会社を経営している教え子とFaceBookのメッセンジャーでつなぎ、進路などの相談の機会を作っていました。外の人とつなげることで、初めて1人で出かけたり、学校内だけでは得られないアドバイスをもらっていました。
コンピューターの活用は、生活にどのような意味を持つのか、それを生かすためにどのようにすればいいのか、今なお重要なテーマであり続けています。
②「遠隔授業で役立つ教材・教具の研究」 野原裕美氏
学校内のWi-Fiが整備され、オンライン授業が身近なものとなった中、スマートプラグを活用したオンライン授業の教材開発について、興味深いアイデアを共有いただきました。
スマートプラグは、コンセントに挿すだけで、iPadなどからアプリで接続した機器のON/OFFの操作ができる便利なツールです。このプラグを使って、扇風機の操作やモーターに接続した楽器を鳴らすなどの活動を通じて、反応が乏しい児童もオンライン授業の中で交流を深め、充実感を得たとの報告がありました。教材作りをまとめた動画や、実際に教具を動かしてみたりと楽しい発表でした!
③「発語のない児童の伝える力を高める指導の工夫」 安座間香凛氏
発語のない児童がトーキングエイドfor iPadを用いて、やりとりができるようになってきたプロセスをお話いただきました。
トーキングエイド導入時に2週間程度、キーボードを押しまくる乱れ打ちの時期がありましたが、ギャグのやりとりなどから徐々にコミュニケーションの道具になっていったそうです。このプロセスに学びや教師の葛藤もあり魅力的でした。
一方的な要求から、徐々にやりとりになっていき、それに伴って集団活動にも参加できるようになってきたそうです。単語と単語のつながりが増え、コミュニケーションの育ちが、言葉の発達につながっていくことが見えてくる事例でした。
素敵な実践を共有くださった皆様、参加くださった皆様ありがとうございました。
次年度もぜひご一緒しましょう。どうぞよろしくお願いします。