はいさい!ちゅーうがなびら!3月1日に開かれた令和6年度第3回目の学習会レポートです。
今年度最後の学習会、26名の参加者と4人の発表者が参加されて、2つの実践と2つの活動報告がありました。
まずは、美咲特別⽀援学校 宮城直美氏 「児童の主体的・意欲的な学びを促す図画⼯作科の授業づくり ーViscuit(ビスケット)アプリの活⽤を通してー」の事例発表。
「6年生の図工の授業で、iPadを使った水族館プロジェクトを実施しました。児童たちはフリーボードやViscoitのアプリを使って魚を描き、教室に水族館を作成し、発表やクイズを行いました。プログラミングを取り入れることで、表現力や集中力が向上し、主体的に学ぶ姿勢が見られました。美ら海水族館を見学した後の関連単元として取り組み、音や動きを加え、保護者や修学旅行の関係者に成果を発表しました。」とのことでした。
続いて、泡瀬特別⽀援学校 ⻑濱星乃氏 「A児の伝える⼒を⾼める指導の⼯夫 ーiPadを活⽤した⽂作りを通してー」の発表。
「iPadを使った活動で、文字の表出を練習し、自己肯定感を高める取り組みを行いました。身振りでの表現が伝わりにくいことから、文字を見て写す練習を行い、フォルダに単語を記録して文を作成しました。身振りから文章での発表へと進化し、伝わる喜びを感じるようになりました。」とのことでした。
そして、鏡が丘特別支援学校の山城聡子氏から訪問学級や重度重複障害の生徒に対する取り組みを紹介していただきました。VOCAやトビーを活用し、発達段階の理解が重要で、手の過敏さから寝返りでビッグマックを押したり、顎でジェリービーンズスイッチを操作したりする様子やピエゾスイッチを使ってたいこ叩きのおもちゃを操作し、視線の動きに気付くことでコミュニケーションの幅が広がったことを見せていただきました。視線入力も活用し、スクラッチで因果関係を理解し、的あてで視野や視角の確認を行いました。そのほか、ゆめ水族園ファンタスカーの取り組みも紹介していただき、環境の把握を促せるように教室や体育館などでダイナミックな活動を見せていただきました。壁や天井に投影された大きな映像を見ている児童生徒の表情や笑顔が印象的でした。申し込めばレンタルできるということも教えていただきました。
最後に幸地英之先生による視線入力の活用に関する取り組みでは、見えないと言われていた子も視線入力を試すことで反応が見られ、先入観を捨てることが大切であること。始める際に教師が視線の位置合わせを設定して活用できることや視線の実態把握や視野、視角、斜視、瞼の開きなどを考慮し、斜視の場合は片目の設定が有効であるということを教えていただきました。山城先生の発表でも紹介されていましたが、お母さんの写真のスクラッチに反応が良く、他の写真でも興味のある部分を見ることで実態把握が進みます。そして視線入力を通じてやりたいという意識を引き出し、一緒に喜ぶことが大事とのことでした。
最後に実際に視線入力やファンタスティックカーの体験会をして学習会は終了。どの発表も素晴らしく、支援機器を活用し、児童生徒の主体性を引き出している発表でした。
今年度も学習会へのご参加や事例の発表ありがとうございました。来年度もよろしくお願いいたします。